白内障の予防法は?原因や治療法についても解説
2025年3月27日

「白内障はどうすれば予防できる?「白内障になる原因はなに?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
白内障は、生活習慣を見直すことである程度予防できる病気です。喫煙習慣や栄養バランスの悪い食事を続けると、白内障になるリスクを高めてしまいます。
この記事では、白内障になる原因や予防法、白内障を発症した場合の検査や治療法などを紹介します。白内障を予防したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
白内障とは

白内障とは、目の中にある水晶体が濁る病気です。
水晶体は無色透明で、カメラのレンズのように、ものを見る際にピントを合わせる機能を持っています。
白内障によって水晶体が濁ってしまうと、ものが二重に見えたり、かすみがかって見えたりなど、さまざまな症状が見られます。
初期症状はものが見えづらい程度ですが、進行すると生活に支障が出る可能性もあります。一般的な白内障は老化によって発生しますが、早い方では40代前後で発症します。
放置すると視野が狭くなる緑内障を引き起こしたり、失明につながったりすることもあるため、早めに眼科を受診することが大切です。
白内障の原因

白内障は主に下記が原因となり発症する病気です。
- 加齢
- 遺伝
- 目の傷・怪我
- 糖尿病
- ステロイド薬
- アトピー皮膚炎
白内障は主に加齢によって発症する病気ですが、遺伝や他の病気の影響を受けて発症することもあります。ここでは、白内障の原因について詳しく見ていきましょう。
加齢
白内障の原因の多くは加齢によるものです。白内障を発症する確率は年齢とともに高くなる傾向があり、50代で50%、80代では80%以上の方に白内障の症状が見られるといわれています。
水晶体は主に水分とタンパク質で構成されていますが、長年紫外線を浴びることによって活性酸素が増加・蓄積すると、水晶体のタンパク質が酸化し性質が変性することで濁り、老人性白内障の原因になるのです。
加齢が原因の白内障は水晶体の外側から徐々に濁っていく特徴があるため、初期には自覚症状がないことが多いです。
自覚症状がないからと放っておくと、さらに進行してしまいます。自覚症状がなくても眼科用の顕微鏡で確認すると水晶体に異常が見られることがあるため、定期的に眼科で確認するといいでしょう。
遺伝
遺伝によって白内障が発生する可能性があります。家族に先天性白内障を患った方がいると、白内障の発症率が高いです。
原因になる遺伝子は複数あるため、どの遺伝子が原因が明言することはできませんが、約50%の可能性でクリスタリン遺伝子が関係すると言われています。
また、妊娠中の子宮内感染が原因で白内障を引き起こす可能性もあります。
母親が風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなどに感染すると、胎児も感染し、白内障を発症する可能性があるのです。妊娠3ヶ月までにウイルスに感染した場合は、重度の白内障になる可能性が高いと言われています。
目の傷・怪我
目に傷や怪我を負うことで白内障にかかることがあります。目に強い衝撃を受けることで、水晶体がダメージを負うことが原因です。
スポーツでボールが目に当たったり、力仕事で目を強く打ったりすることが原因で白内障を発症する可能性があります。
目の傷や怪我の状態によっては通常の手術が受けられない場合もあるため、治療の方法を医師と相談する必要があります。また、症状が急速に進行するケースが多いため、目に異変を感じた際にはすぐに眼科を受診しましょう。
糖尿病
糖尿病の方は白内障になりやすいといわれ、糖尿病に併発して起こる白内障を糖尿病性白内障といいます。
糖尿病による高血糖が続くと、目の中の水晶体にソルビトールという糖の一種が溜まりやすくなり、これが白内障の原因となります。
糖尿病が原因の白内障は、20〜30代の年齢が若い方でも罹患するリスクがあり、加齢による白内障よりも進行が早いことが特徴です。
また、水晶体の外側からではなく水晶体の後ろにある袋の中心から濁る特徴があるため、視力障害などが初期症状のうちからあらわれる点が特徴です。
ステロイド薬
ステロイド薬を長期間使い続けることによっても、白内障のリスクが上がると考えられています。ステロイド薬には、塗り薬、飲み薬、吸入薬などがあります。その中でも、内服薬と吸入薬は白内障の原因になりやすいです。
ステロイド薬が原因で起こる白内障は、加齢が原因の白内障よりも進行が早い特徴があります。数ヶ月〜1年程度で手術が必要になるほど視力が低下することもあるため、注意が必要です。
ステロイド薬は白内障だけでなく、緑内障のリスクにもなります。ステロイド薬を長期的に使用する際には、定期的に眼科を受診し、経過を確認することが大切です。
アトピー皮膚炎
アトピー皮膚炎は、かゆみのある湿疹を繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎の方は、白内障にかかる可能性があることがわかっています。
早い方の場合は10〜20代でも発症し、急激な視力低下を起こすことが特徴です。数週間から数ヶ月で一気に水晶体が濁ることがあるため、症状に気がついた際にはすぐに眼科を受診してください。
白内障の予防法

白内障になるのを完全に避けることはできませんが、下記の予防法を行うことである程度リスクを下げられます。
- 喫煙習慣を見直す
- 紫外線対策する
- 抗酸化作用のある食べ物を食べる
- 生活習慣を見直す
- 目薬を点眼する
ここからは、それぞれの項目について詳しく解説します。
喫煙習慣を見直す
喫煙は白内障発生リスクを上げることがわかっています。また、禁煙は発症リスクを下げるために有益であるとのデータもあるため、喫煙習慣のある方は禁煙を目指すといいでしょう。
喫煙は、タバコに含まれるニコチンが毛細血管を収縮させるため、血液がスムーズに流れにくくなり、目に栄養が届きにくくなります。さらに煙の一部が抗酸化作用のあるビタミンCを破壊することもわかっており、白内障が進行しやすくなります。
喫煙は目だけでなく体に悪影響を与えやすく、老化を早める原因になるため、健康のためにも禁煙を検討してみてください。
紫外線対策する
紫外線は水晶体に含まれるタンパク質の変性を進めるため、白内障のリスクを高めてしまいます。
水晶体は光を集めてピントを合わせる働きがあるため、どうしても紫外線の影響を受けやすい部分ですが、できるだけ対策することが大切です。
サングラスを着用したり日傘を差したりなど、紫外線ができるだけ目に入らないように対策してみてください。
抗酸化作用のある栄養素が含む食べ物を食べる
水晶体に含まれるタンパク質が酸化することで、水晶体が濁りやすくなります。
酸化を防ぐためには抗酸化作用のある栄養素を含む食品を食べることが大切です。抗酸化作用のある栄養素には、下記のようなものがあります。
- ビタミンC
- βカロチン
- ルテイン
- ゼアキサンチン
これらの栄養素が含まれている食品は、レモンやいちごなどの果物、ほうれん草などの緑黄色野菜、緑茶、ブロッコリーなどです。抗酸化作用のある食品をバランスよく食べることで、白内障を予防する効果が期待できます。
生活習慣を見直す
糖尿病の方は、白内障のリスクが高くなることがわかっています。そのため、糖尿病にならないように健康的な生活を送ることが白内障予防につながります。
バランスのいい食生活や適度な運動を習慣することで、血糖値が適正な値になるため、白内障のリスクを下げられるでしょう。
ただし、外での運動を行う際にはサングラスを付けるなど、紫外線対策を忘れないようにしましょう。
白内障を発症したら手術せずに治すことはできない

白内障は一度発症すると自然治癒することはありません。また、点眼薬を使っても一度濁ってしまった水晶体を元に戻すことはできません。
すでに生活に支障が出ている場合や、視力を回復させたい場合などは、手術で症状の改善を目指します。
症状の程度や生活習慣などに合わせて適切な治療を受けることが大切なため、医師とよく相談して治療方針を決めましょう。
白内障の検査法

白内障は、発症したかどうかを自分で判断するのが難しい病気です。眼科を受診し、医師に診断してもらう必要があります。
ここでは、白内障の検査方法や費用について見ていきましょう。
白内障を診断する検査項目
白内障は眼科で診断が可能です。主に以下の4つの検査で白内障を診断を行います。
- 視力検査
- 屈折検査
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼圧検査
白内障による視力の低下を調べます。メガネをかけても視力が上がらない場合、白内障の恐れがあります。次に、屈折検査で目に入った光の屈折状態を測ります。水晶体が濁った状態の場合、屈折の異常が見られるため、この検査を行います。
細隙灯顕微鏡検査では、細長い光を当て、顕微鏡で眼球を詳しく見ます。水晶体のどの部分に濁りが見られるのかの判断もできます。
最後に眼圧検査です。眼球の内圧を測り、水晶体以外の病気の合併の恐れを調べます。これらの検査を通して白内障かどうかの判断を行います。
白内障の検査費用の目安
白内障の検査費用は、保険が適用になります。
目の状態に合わせて検査内容は異なりますが、自己負担額は1,000〜6,000円程度です。
白内障のセルフチェック
白内障かどうかの診断を受けるためには、眼科を受診する必要があります。しかし、参考として白内障の方に見られる症状を知っておきたいという方も多いでしょう。
下記の症状が見られる場合は、白内障の初期症状の可能性があるため、早めに眼科を受診してください。
- 明るい場所や日差しの強い場所にいるとまぶしく感じる
- 目が見えにくい
- 左右の見え方に差がある
- 目がかすんで見える
- ものが重なって見える
- 近くのものが見えやすくなった
- 視力が低下した
- メガネを替えても見えにくい
今までと見え方が変わった場合はもちろん、老眼の症状が見られていた方が急に近くのものが見えるようになった場合なども、白内障の可能性があります。
どれか1つの症状のみ当てはまる場合でも白内障の恐れがあるため、気になる症状がある方は医師に相談しましょう。
白内障の治療法

医師から白内障だと診断された場合には、早急に治療を行います。症状がある程度進行して日常生活にも影響がある場合は、手術を行うことが必要です。
白内障手術では濁った水晶体を取り出し、人工のレンズを挿入します。挿入するレンズには種類があるため、目の状態や予算などから適したものを選びましょう。
まとめ
白内障は、目の中にある水晶体が濁る病気です。白内障は加齢が主な原因ですが、そのほかにも糖尿病や遺伝、目の怪我によるものなど、さまざまな要因が挙げられます。
白内障を予防するためには、生活習慣の見直しが効果的です。紫外線対策や食生活の見直し、禁煙などの予防法を行うことによってある程度白内障を予防できます。
もしも白内障を発症した場合には、手術での早急な治療が必要です。
深作眼科では、整った設備のもと、院長によって開発された新しい技術で精度の高い白内障治療を行っています。
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