ICLとレーシックを比較!手術を受けるならどっちがいい?
2024年7月1日
「ICLとレーシックのそれぞれの特徴は?」
「ICLとレーシックの違いを詳しく知りたい」
「状況を考慮した適切な選択肢を教えてほしい」
視力矯正手術を検討している方の中には、このような疑問がある方もいるでしょう。
ICLとレーシックは視力矯正に用いられる主な手術方法ですが、アプローチと適用条件には大きな違いがあります。
この記事では、ICLとレーシックの特徴、それぞれの違い、状況を考慮した適切な選択肢について詳しく解説します。
※当院ではレーシックは行っておらず、ICLの手術のみ実施しています
ICLとレーシックの特徴
ICL(眼内コンタクトレンズ)とレーシックは、近視、乱視などの視力矯正に用いられる2つの異なる手術方法です。
ICLは眼内にレンズを挿入することで視力を矯正しますが、レーシックは角膜の形状を変更することで視力を改善します。
ここでは、ICLとレーシックのそれぞれの特徴を解説します。
ICLとは
ICL(眼内コンタクトレンズ)は「Implantable Contact Lens」の略称で、近視、遠視、乱視を矯正するために開発されたレンズです。
特に重度の近視や乱視、レーシック手術が適さない薄い角膜を持つ方に推奨されます。
ICLは薄いレンズを虹彩と水晶体の間に挿入し、焦点を網膜上に正確に合わせることで視力を矯正する仕組みです。
角膜を削ることなく、目の内部に特別に設計されたレンズを挿入します。ICLは可逆的であり、必要に応じて取り外しや交換が可能です。
▼ICLの主な特徴
- 重度の近視や乱視、薄い角膜を持つ方に適している
- 目の内部に特別設計されたレンズを挿入し、角膜は削らない
- 手術は可逆的で、必要に応じてレンズの取り外しや交換が可能
- メガネやコンタクトレンズに対する不快感やアレルギーがある方に向いている
- 手術後の視力回復が長期間持続する
レーシックとは
レーシックとは、レーザーを用いて目の表面にある角膜を削り取り、角膜の形状を変更することで視力を矯正する手術です。
一般的に、軽度から中等度の近視、遠視、乱視に対して高い効果を発揮します。
米国FDA(医薬品局)の認可を得ている手術であり、世界中で多くの方がレーシックを受けています。手術時間は短く、多くの場合、手術後数日以内には日常生活に戻ることが可能です。
即効性が高いことから、忙しい生活を送る患者様に有効な選択肢となります。ただし、レーシックは角膜を削り取るため、手術は不可逆的です。
▼レーシックの主な特徴
- 軽度から中等度の近視、遠視、乱視に効果的
- レーザーを用いて角膜の形状を変更して視力を矯正する
- 手術時間が短く、回復も迅速で日常生活への復帰が早い
- 手術は不可逆的で、角膜の変更は永久的
- 手術直後から視力の改善を実感できることが多い
ICLとレーシックを徹底比較|それぞれの違い
ICLとレーシックは同じ視力矯正手術ですが、手法は多くの点で異なり、それぞれに独自のメリットとデメリットがあります。
ICL | レーシック | |
---|---|---|
視力の持続性 | 長期的な視力維持が可能 | 加齢により視力が変化する |
手術後の見え方 | 自然で鮮明な視界 | 一時的なハロー・グレアが出現する可能性あり |
手術の適応範囲 | 重度の近視、乱視に適用 | 軽度〜中等度の近視、遠視、乱視に適用 |
手術のリスク | 感染症やドライアイ | ハロー・グレアや近視の戻り |
手術の痛み | ほぼ無痛 | ほぼ無痛 |
手術方法 | 眼内レンズの挿入 | レーザーによる角膜再形成 |
手術費用 | 比較的高コスト | 比較的低コスト |
最適な選択肢を見つけるためには、ICLとレーシックの違いを深く理解することが大切です。ここでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
※当院ではレーシックは行っておらず、ICLの手術のみ実施しています
視力の持続性
ICLとレーシックは、視力の持続性に違いがあります。
ICL
ICL手術は、挿入されたレンズにより長期間にわたる安定した視力矯正が期待できます。
レンズは目の内部に恒久的に留まるため、視力の変化が少なく、数十年にわたって効果が持続する可能性があります。
これは、ICLのレンズが角膜形状変化を起こさないためであり、これらの要素が長期間の視力維持を可能にします。
レーシック
レーシック手術は即時性と高い成功率で知られていますが、長期的な視力変化に対してはICLほどの持続性はありません。
角膜を再形成するため永続的な変化をもたらしますが、加齢に伴う視力の変化には対応できず、年齢を重ねるにつれて近視が元に戻ってしまう可能性があります。
また、老後は読書用メガネが必要になることが一般的です。
手術後の見え方
ICLとレーシックは、手術後の見え方に違いがあります。
ICL
ICLによる手術後の見え方は、非常に自然でクリアです。レンズは目の内部に配置されるため、光の乱反射やハロー・グレアの影響が少ないのです。
また、ICLは高度な近視や乱視の方にも対応可能で、これらの条件を持つ方にとって、視界の質の面で顕著な改善が期待できます。
レーシック
レーシックの手術後の見え方もまた、多くの方にとって顕著な改善をもたらします。しかし、特に夜間の運転時などにはハロー・グレアを経験する方がいます。
また、コントラスト感度の低下や、見え方の質に若干の違和感を持つ場合もあります。これは角膜の再形成によるもので、多くの場合は時間とともに少しずつ減少します。
手術の適応範囲
ICLとレーシックは、手術の適応範囲に違いがあります。
ICL
ICLの大きな利点として、手術の適応範囲が広いという点があります。
ICLは特に重度の近視、乱視、そしてレーシック手術が不適切な薄い角膜を持つ方に適しています。主な適応条件は以下の通りです。
- 年齢:20〜40歳程度
- 術前球面度数:−3.0D〜−18.0Dの近視
- 術前円柱度数:4.5D以下
- 屈折度数が安定している
- 妊娠、授乳中ではない
- 重篤な全身疾患や目の病気がない
これらの適応条件は眼科医院によって異なるため、ICL手術を受けたい場合は該当する眼科医院の適応条件をご確認ください。
レーシック
レーシックは軽度から中等度の近視、遠視、および乱視に適用可能で、手術の適応範囲は一般的に広いといえるでしょう。
しかし、高い度数の視力矯正が必要な場合や、角膜が薄い場合には適さないことがあります。
特に近視が強すぎる(-10.0D以上)場合は、適応外になるため注意が必要です。主な適応条件は以下の通りです。
- 年齢:18歳以上
- 術前球面度数:-6.00D以上は慎重適応
- 角膜の形状や厚みが正常
- 妊娠、授乳中ではない
- 重篤な全身疾患や目の病気がない
ICLと同じく、これらの適応条件は眼科医院により異なるため事前に確認しましょう。
手術のリスク
ICLとレーシックは、手術のリスクに違いがあります。
ICL
ICL手術はリスクが低く、安全性が高いことで知られています。しかし、手術によるリスクはゼロではなく、主に以下のようなリスクが伴う可能性があります。
- ハロー・グレア
- 感染症
- 白内障
- 眼球内出血
- 眼圧の上昇
適切な術前検査と経験豊富な医師によるICL手術で、リスクは最小限に抑えられます。また、レンズは必要に応じて取り外し可能であるため、不測の事態に対する柔軟性があります。
レーシック
レーシックの手術も安全性は高いものの、一部の副作用や後遺症が残る可能性があります。主なリスクとして、以下のようなものが挙げられます。
- ドライアイ
- ハロー・グレア
- 近視の戻り
- 角膜不正乱視
これらの副作用は手術後数ヶ月間続くことがあります。しかし、ICLと同様に技術的な進歩によって手術後のリスクは年々減少しています。
手術の痛み
ICLとレーシックは、手術の痛みに違いがあります。
ICL
ICL手術は局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。
手術後に軽い不快感を覚える方もいますが、これは通常、数日以内に軽減されます。ICL手術は、手術中の快適さと回復の早さにおいて高い評価を得ています。
レーシック
レーシック手術も局所麻酔を使用し、手術中の痛みはほとんど、または全く感じません。
手術後の回復期間も短く、多くの患者様が手術当日に視力改善の効果を実感できます。しかし、手術後数日間は目に異物感が生じることがあります。
手術方法
ICLとレーシックは、手術方法に違いがあります。
ICL
ICL手術は、眼の内部にレンズを挿入することで視力を矯正する方法です。レンズは生体適合性が高く、自然な視力回復を促します。
手術は通常、局所麻酔下で行われ、一般的には15〜30分程度で完了します。ICLは可逆的な手術であり、必要に応じてレンズを取り外すことが可能です。
レーシック
レーシック手術ではレーザーを使用して角膜の形状を変更し、視力の矯正を行います。レーザーで角膜を削る前に、表面に微細なフラップを作成し、手術後の傷を保護します。
手術は通常、局所麻酔下で行われ10分程度で完了します。レーシックは不可逆的な手術であり、一度行うと元に戻すことはできません。
手術費用
ICLとレーシックは、手術費用に違いがあります。
ICL
ICL手術の費用は、一般的にレーシックの手術よりも高額です。これは、使用するレンズのコストや手術がより複雑であるためです。
手術費用は地域や眼科医院によって異なりますが、一般的には片眼で40万円前後が相場とされています。保険適用外であるため、全額を自己負担する必要があります。
レーシック
レーシックの手術費用はICLよりも低い傾向にありますが、それでも両眼で20〜50万円程度の費用がかかります。レーシックもまた保険適用外であり、費用は患者様の自己負担となります。
ICLとレーシックならどっちがいい?
ICLとレーシックのどちらが良いかは、目の状態や生活スタイル、予算などで変わります。ここでは、それぞれの手術方法が向いている状況について詳しく解説します。
※当院ではレーシックは行っておらず、ICLの手術のみ実施しています
効果を早く実感したい:レーシック
効果を早く実感したいなら、レーシックの手術が向いています。
レーシックはレーザーを用いて角膜の形状を変更し、視力を矯正する手術です。この手術の大きな利点は、手術後すぐに効果を実感できる点にあります。
多くの方が手術の翌日から顕著な視力改善を実感し、ほとんどの場合で手術後数日以内に日常生活に戻ることができます。
※ICLでも翌日には効果を実感できるため、効果を早く実感したい方に向いています
手術費用を抑えたい:レーシック
レーシックはICLよりも手術費用を安く抑えられます。これは、レーシックが比較的シンプルな手術であり、高価なレンズを必要としないためです。
さらにレーシック手術の普及により、多くの医院やクリニックが競争的な価格を提供しています。初期投資を最小限に抑えたい方にとって、レーシックは魅力的な選択肢となるでしょう。
見え方の質を高めたい:ICL
見え方の質を高めたい場合には、自然でクリアな視界が得られるICLが最適な選択となります。ICL手術はレーシックと違い、角膜を削ることなく視力の矯正が図れます。
挿入されたレンズは光の屈折を自然に調整し、より鮮明な視界を実現するため、見え方の質の向上に期待できます。
特に従来のメガネやコンタクトレンズでは満足できなかった方に、ICLは満足度の高い視力をもたらします。
強度な近視・乱視でも視力を改善したい:ICL
重度の近視や乱視を持つ方にとって、ICLは顕著な視力改善を実現する有効な手段です。
レーシック手術が適用できない高度な視力問題を持つ方でも、ICLによって明瞭な視界を取り戻すことが可能です。
ICLは眼内に直接レンズを挿入するため、より広範囲の視力矯正が可能であり、高度な近視や乱視に対しても効果的に補正します。
レーシック手術ができない薄い角膜を持つ方に対しても、ICL手術は有効な対処法となります。
万が一のときは元の状態に戻したい:ICL
ICL手術の大きな利点の1つは、手術が可逆的であることです。
つまり、万が一手術後の結果に満足できない場合や、将来的に視力に変化があった場合、挿入されたレンズを取り外し元の状態に戻すことが可能です。
この特性は手術に対する安心感を提供し、より確信を持ってICL手術を選択できることに寄与します。「視力矯正の手術が不安」という方は、ICLを優先的に検討するようにしましょう。
まとめ
ICLとレーシックの特徴、それぞれの違い、状況を考慮した適切な選択肢について解説しました。
ICLとレーシックは視力矯正に用いられる主な手術方法ですが、そのアプローチと適用条件には大きな違いがあります。
自身に適した手術方法を見つけるためには、ICLとレーシックの違いを深く理解し、その上で状況や目的を踏まえて検討することが大切です。※当院ではレーシックを行っておりません
ICL手術についてより詳しく知りたい方は、深作眼科が開催する「ICL手術 無料説明会」へのご参加を検討してみてください。
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