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多焦点眼内レンズの白内障手術は保険適用?費用・日程・適用範囲を解説

2024年7月1日

多焦点眼内レンズの白内障手術は保険適用?費用・日程・適用範囲を解説

「多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は保険適用?」「保険適用される範囲や費用の目安を知りたい」という疑問がある方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は、健康保険が適用される場合と適用されない場合があります。

白内障手術には選定療養と自由診療の2つの制度があり、それぞれ保険適用の有無や特徴が異なります。

保険適用について詳しく知りたい場合は、各制度の特徴を理解しておくことが大切です。

この記事では、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の保険適用の有無、適用される範囲や費用の目安について解説します。

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は保険適用?

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は保険適用?

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は、基本的に健康保険が適用されません

ほとんどの多焦点眼内レンズは保険適用ではありませんが、検査や点眼薬、手術代などの一部が保険適用となるケースもあります。

ただし、手術をした月は検査や点眼薬含め、全て自費での負担となるため注意が必要です。

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術のうち、選択できる制度は選定療養と自由診療の2つです。保険適用の有無を理解するためには、両制度の違いを理解することが大切です。

制度 選定療養 自由診療
検査・点眼薬 保険適用 自己負担
手術代 保険適用 自己負担
眼内レンズ代 一部保険適用 自己負担
追加検査 自己負担 自己負担

ここでは、それぞれの制度について詳しく解説します。

選定療養とは

選定療養とは、通常であれば全額自己負担となる治療を、治療に関わる追加費用を負担することで保険適用の治療を併せて受けられる制度のことです

2020年4月より、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術でも、この選定療養を選択できるようになりました。

単焦点眼内レンズの場合、眼内レンズ代や追加検査を含めて保険適用となりますが、多焦点眼内レンズを選択すると眼内レンズ代の差額のみを自費で支払う必要があります。

実際に支払う治療費と内訳は医院や選択するレンズの種類によって異なるため、主治医に直接確認することをおすすめします。

※当院では白内障手術の選定療養は行っておりません

自由診療とは

自由診療とは、治療に関わる全ての費用が自己負担となる制度のことです。未承認の多焦点眼内レンズを使用する場合は、この自由診療が適用されます。

自由診療の利点は、国内未承認の海外の多焦点眼内レンズを選択できる点です。幅広い多焦点眼内レンズを選択できるため、状況に合った治療を行える可能性があります。

しかし、長期成績の評価が十分でない眼内レンズも含まれることから、主治医としっかりと相談した上で眼内レンズを選択するようにしましょう。

なお、保険適用の診療と自由診療の治療を併せて受けた場合は、全ての治療が全額自己負担となります。

※手術をした月は検査、点眼など含め全て自費ですが、他の月は保険適用です

保険適用の診療と保険適用外の診療を併用することを混合診療と言います。

日本国内ではこの制度は認められておらず、本来保険適用となる診療部分も含めて自由診療とみなされるため、全額自己負担になってしまうのです。

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術で保険適用される範囲

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術で保険適用される範囲

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術が選定療養でも、全ての治療が保険適用となるわけではありません。

保険適用になる部分とそうでない部分があるため、その範囲を明確に理解しておくことが大切です

▼選定療養で保険適用される範囲

  • 多焦点眼内レンズを使用した白内障手術費用
  • 材料費、その他
  • 技術料
  • 多焦点眼内レンズの一部費用

▼選定療養で保険適用されない範囲

  • 多焦点眼内レンズの一部費用
  • 追加検査料

例えば、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を選定療養で受ける場合、白内障手術費用や材料費、技術料は保険適用となりますが、眼内レンズの一部費用や追加検査料は自費で支払う必要があります。

自己負担額の分類

年齢や所得に応じて、自己負担額は1割、2割、3割と分けられています。自己負担額が分類される基準は以下の通りです。

  • 自己負担割合が1割:75歳以上の方。ただし、一定以上所得者(※1)は2割負担、現役並み所得者(※2)は3割負担。
  • 自己負担割合が2割:70〜75歳未満の方、並びに6歳未満の未就学児。ただし、現役並み所得者(※2)は3割負担。
  • 自己負担割合が3割:6〜70歳未満の方。

※1 課税所得が28万円以上(年金収入+その他の合計所得金額が単身約200万円以上、複数320万円以上)
※2 課税所得が145万円以上(年収単身約383万円以上、複数約520万円以上)

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の費用・日程

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の費用・日程

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を受ける場合、重要なのが費用と日程です。ここでは、白内障手術の費用と日程の目安を解説します。

自己負担となる多焦点眼内レンズの目安

自己負担となる多焦点眼内レンズの費用相場は、数十万円です。

深作眼科の場合、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の費用は片眼で税込880,000円、乱視矯正レンズなら片眼で税込990,000円です

当院では、「Tecnis Synergy(テクニスシナジー)」を用いています。

テクニスシナジーは、遠方から近方まで連続的に焦点(ピント)が合う最新型の多焦点眼内レンズです。裸眼で見る快適な視野に大変ご満足いただいております。

入院を伴う場合の手術費用の目安

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の費用は、基本的に日帰り手術を想定したものとなります。近年の白内障手術はほとんどが入院を伴わないため、通常の手術費用には含まれていません。

しかし、各院の方針や患者様の状況によっては入院が必要になることもあり、その場合は入院費用が別途必要になります。自己負担割合が1割の場合、目安として以下のような費用がかかります。

  • 片眼手術:20,000〜25,000円+差額ベッド+食事代
  • 両目手術:35,000〜40,000円+差額ベッド+食事代

入院できる医院とそうでない医院もあるため、白内障手術を受ける前に入院受付の有無を必ず確認するようにしましょう。

白内障手術の日程

初回の適応検査を含めて、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は検査・診察が数回程度必要になることがあります

手術後は翌日、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、その後といったように定期的に検査が必要です。白内障手術の主な流れは以下の通りです。

  • 適応検査・注意事項の説明
  • 再検査
  • レンズオーダー
  • 手術の予約
  • 手術
  • その後の検査

白内障手術の日程や流れは、医院によって異なります。詳細が気になる場合は、主治医に確認するようにしましょう。

そもそも多焦点眼内レンズとは|向いている人

そもそも多焦点眼内レンズとは|向いている人

多焦点眼内レンズとは、遠方視と近方視の両方に焦点が合う眼内レンズのことです。多焦点眼内レンズを用いることで、白内障手術時に老眼の矯正も行うことができます。

多焦点眼内レンズは非常に高性能かつ繊細なレンズであり、白内障手術の腕と芸術性が手術結果に大きく影響するといわれています。

単焦点眼内レンズとの違い

単焦点眼内レンズは、遠方視もしくは近方視に焦点が合う眼内レンズです。焦点の合わない距離は眼鏡で対応していただく必要があります。

多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの主な違いは、焦点の数です

多焦点眼内レンズは複数箇所に光を振り分ける仕組みであるのに対して、単焦点眼内レンズは焦点が1つしかありません。

単焦点眼内レンズには焦点を合わせる機能がないため、眼鏡の装用が必要です。

多焦点眼内レンズが向いている人

多焦点眼内レンズは遠方視と近方視の両方に焦点が合うため、手術を受けることで多くのメリットが期待できます

多焦点眼内レンズが向いている方の特徴は以下の通りです。

  • メガネやコンタクトレンズから解放されたい
  • 乱視矯正したい
  • 高品質な眼内レンズを使用したい
  • 夜間に運転をあまりしない
  • 手術後の副症状を許容できる

これらの特徴に当てはまっている方は、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術をご検討ください。

多焦点眼内レンズが向かない人

多焦点眼内レンズにはメリットだけでなくデメリットも存在します。その性質上、多焦点眼内レンズが向いていない方もいます。

多焦点眼内レンズが向いていない人の特徴は以下の通りです。

  • 他の目の病気がある
  • 見え方に対して神経質
  • 夜間に運転することが多い
  • 白内障がほとんどない

これらの特徴に該当している場合は、他の眼内レンズの使用が適切である可能性があります。

ただし、当てはまっていても手術を受けられるケースもあるため、不安に思う方は主治医に一度相談してみてください。

白内障手術を受ける眼科医院の選び方

白内障手術を受ける眼科医院の選び方

白内障手術を提供している眼科医院は多く存在します。「どの眼科医院を選択すればいいのだろう」と迷っている方は、以下の要素を踏まえて選択してみてください。

  • 手術費用
  • レンズの種類の多さ
  • 診療内容の多さ
  • カウンセリングの充実度

ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

手術費用

費用が安い眼科医院であれば、選定療養で数万円〜数十万円で手術を受けられます。

しかし、手術費用が極端に安い場合は、手術内容や眼内レンズが状況に合っていない可能性も考えられます

質の高い手術にはそれなりの費用がかかる傾向にあるため、必ずしも費用の安い手術が最適であるとは限らないことを覚えておきましょう。

レンズの種類の多さ

豊富な眼内レンズを扱う眼科医院、もしくは良質な眼内レンズを扱う眼科医院を優先的に選ぶようにしましょう。眼内レンズの種類が多い眼科医院であれば、状況に合った眼内レンズを選びやすくなります。

多焦点眼内レンズの主な種類は以下の通りです。

  • Clareon PanOptix(クラレオンパンオプティクス)
  • Tecnis Synergy(テクニスシナジー)
  • TECNIS symfony(テクニスシンフォニー)
  • TECNIS Multifocal (テクニスマルチフォーカル)

特に「テクニスシナジー」のような最新型の多焦点眼内レンズを使用すれば、より良い手術結果が期待できます。

診療内容の多さ

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術だけでなく、ICL手術やドライアイなど、幅広い診療内容を提供している眼科医院を選ぶという方法もあります

診療内容が多い眼科医院を選べば、白内障以外の眼のトラブルを同時に解決できる可能性が高くなります。

深作眼科では、幅広い診療内容を提供しております。目のトラブルで悩んでいる方はぜひご確認ください。

  • 白内障多焦点眼内レンズ
  • ICL手術
  • ドライアイ
  • 円錐角膜
  • 眼科形成手術

カウンセリングの充実度

カウンセリングの充実度も眼科医院の選択に大きく影響します。医師がよく話を聞いてくれれば、自身の悩みに沿った治療が受けやすくなります。

また、「治療法についての説明がほとんどない」という医院では、手術や治療に対する不安要素が大きくなってしまいます。

不安要素を消すためにも、カウンセリングの充実度を重視して選ぶようにしましょう。

まとめ

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術の保険適用の有無、適用される範囲や費用の目安について解説しました。

多焦点眼内レンズを使用した白内障手術には、選定療養と自由診療の2つの制度があります。自由診療は全額自己負担となりますが、選定療養なら保険適用の治療を併せて受けられます。※当院は選定療養費なし

保険適用といってもその範囲は限られており、多焦点眼内レンズの一部費用や追加検査料などは保険適用外で自費での支払いが必要です。※手術を受けた月は全て自費

最新型の多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を受けたいなら、深作眼科が提供する「テクニスシナジー」を用いた手術をご検討ください

この眼内レンズを用いて多くの白内障手術を行った結果、裸眼で見るその快適な視野に大変ご満足いただいております。

まずは、お気軽にお問い合わせください。